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ジュエリー制作のことや私が住む東京都武蔵村山市周辺の地域情報・ホームページ制作

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ダイヤルースに強酸が・・

ホームページも放置状態のためアクセス解析なども全く見なかったが、それでも毎日訪問いただく方もおられるようなので「何を求めて・・」と確認してみた。面白いのが一つ「ダイヤルースに強酸が付着し照りが無くなる」というキーワードで検索してきたようで、googleとYahoo!で見てみると確かにここが検索結果一番に表示される。色々書いているからそういうことも有るだろう。

何処のどなたか知らないが「ダイヤルースに強酸が付着し照りが無くなる」ということは有るとも無いとも言える。付着すなわち気化した後に何らかの残留物が有って、それが「付着」していることは有る。その場合は洗えば綺麗になるわけだ。強酸に腐食されるという意味ならば、それは無い。ダイアモンドは硫酸にも腐食されない。

気軽に質問を受け付けるような場所を作っても良いのだが(作ったことも有るが)そうするとプロやらセミプロが自分の調べる手間を省いて質問を書き込んでくる。調べれば解るようなことを調べずに聞いてくるのは、プロとして恥ずかしいことだと思うのだが最近はそういう感覚では無いようだ。狡いと賢いの区別が解らないのだろう。狡い人は嫌われるよというだけのことだから、嫌われても良いと思っているならそれを賢いと称しても良いのかも知れない。

さて・・放置しているホームページだが、近々・・とは言えないが遠からず全面的に作り直す予定だ。実のところ幾つか作りかけたものが有るのだが、どれも気に入らない。内容が確定していないせいでも有るのだが、前面に出すのは何かというところが決まり切らない。「自分」というものを前面に押し出すことも考えたが、自己満足ホームページにしかならない。やりたいことが多過ぎるのかも知れないし、出来ることが少な過ぎるのかも知れない。欲が深くて能力不足って言ってしまえばそれまでのことで、その人間が何かをやれるように考えなければならないという課題なわけだ。

色々考えてみたが、やっぱりどうもただ出来合いの企業に所属して働いてそこそこの給料もらってという生き方は出来そうもないし、子供のことを考えてもそういう生き方を勧める気になれない。できれば「こういう生き方も選択できるんだよ」というものを見せてやりたいと思う。お金掛けて学校に行かせて習い事させて就職させて・・て何か、親の自己満足のように感じる。自己防衛と言っても良いかな。自分はこれだけやったんだという防壁を一生懸命に築いているだけで、その防壁は何のためかと言えば子供のためでなく自分を守るためのものだ。

大切なのは人の目を気にしないこと。それと人に迷惑をかけないこと。それが両立できれば比較的人生は自由だ。人に迷惑をかけることは自ずと望まざる人との関わりを生むことになるから、自由の幅が狭まる。自由でいたければ無害な人間になることだ。そして自分自身も他からの干渉を意に介さない強い精神を身に付ける。

・・考えてみると「欲が深くて能力不足」って今の目的を持たないように見える若者たちと共通しているのでは無いか。とすれば私が何かして見せれば、そういう人達の生き方の参考になる可能性もあるわけだ。人生長いようでいて意外に短いからなあ・・間に合うかどうか解らないが。

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プロパンガス料金計算機

「計算機」なんて仰々しいもんじゃないが、プロパンガスの不明瞭な料金に苦労されている方も多いようなので作ってみた。LPガス料金を不明瞭にしているのは「基本料」と「従量料金(1立方mあたりの料金)」が有るのに、別々に書かずに合算した金額で請求してくるためだ。どうしてそのようなことをするかと言えば、料金の仕組みが解ってしまうと「自分のところは平均より高い」というような不満が出てくるからだ。

プロパンガスの料金には特に取り決めがないので、地域によっても業者によっても金額は違う。おおよその平均を取ってみると東北地方で「基本料 1,500円、従量単価 600円」、関東では「基本料 1,500円、従量単価 480円」、中部地方が「基本料 1,500円、従量単価 520円」と関東地方が意外に安いのが解る。しかしこの平均料金というのも曲者で、実際は基本料が2,000円を超えるところが有るかと思えば、従量単価が200円台ということもある(増客のための釣り価格で、実は契約後にじわりじわりと値上げされることが多いようだ)。

手元に2ヵ月分のガス料金請求書なり明細書が有れば、簡単に基本料と従量単価がわかる。計算自体は中学生が最初に習う連立方程式クラスのものだからわざわざjavascriptなどにしなくても簡単に計算できるが、それも面倒という人は使ってみて欲しい。

■■LPガス料金計算機■■
(計算には2ヵ月分の(連続した月でなくてもOK)ガス料金請求書が必要です。)


一月目のガス使用量(立方m)立方m・料金
二月目のガス使用量(立方m)立方m・料金

◆ガスの基本料金
◆1立方mあたり

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裏を読むということ

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ちょっと開き過ぎのチューリップ。チューリップって何と言うか・・あっけらかんとして風情に欠ける花なので、個人的にはこれくらい開いた方が好きだ。今回のチューリップは雪や長引く寒さに耐え抜いた末に花開き、ぽかぽか陽気に恵まれて太陽を一杯に受けたせいか特に元気が良い。・・なんて書くと私が世話をしているようだが、妻の丹精の成果だ。

インターネットで物が売れるはずがないと言われた時代(18年前くらい)から、今やインターネットが通常の買い物手段として定着してきた。私なども「送料無料」で購入したものが届かないなと思って調べると、販売している会社が九州だったり・・・と、送料無料なら何処から買おうと同じことだが面白い時代になったものだと感じることがある。

大量に物を販売する企業などでは宅配会社と特別に契約することで送料無料を実現することが可能だが、小規模企業にとってネット販売を行おうとするとき一番のネックになるのが送料の問題だろう。高額商品になると送料が占める割合など微々たるものだが、1,000円前後の商品だと幾らお買い得の価格設定にしても送料のために市販価格を上回ってしまうことになる。そんなときに便利なのが普通郵便の活用だ。

普通郵便というと手紙しか入れてはいけないような印象を持ってしまいがちだが、実は危険物や現金以外の物品なら大概のものは送ることが可能だ。普通郵便の規定内に納めるためにはサイズ制限(長辺が23.5cm以内、短辺が12cm以内、厚が1cm以内)と重量制限(50グラム以内)を守らなければならないが、厚みさえクリアできる商品ならばサイズ的にも目方的にも充分に活用できる商品は多いと思う。郵便受けに配達されるというマイナス面が気になるならば、オプションサービスの配達日指定(平日指定なら30円)で受取の確実性を上げることも可能だ。

どうしても1cmの厚みには収まらないならば、定形外郵便を使えば良い。長辺の最大が60cm以内で三辺合計が90cmまでのものなら、50グラム以内120円、100グラム以内140円・・・と、おおよそ500グラム以内であれば通常の宅配便料金より安く送ることができる。Amazonなどで買い物をすると定形外郵便で送られてくることがあるが、最初こそ郵便受けからはみ出して入れられていると不安も感じたが、逆に言えば定形外で送られてくるものなど然程高額なものであるはずがないから危険を冒してまで盗もうとする者も少ないだろうとも思える。また郵便受け内にすっぽりと入ってしまう大きさならば、更に安全だと言えるだろう。

もう少し便利なサービスが有っても良いのにと思うが、郵便でも書留にすると送料を大幅に上回る金額が掛かってしまう。局留めも有効な配送手段だが、たとえば局留めで局に着くと連絡が有って取りに行くか配達かを選べるようにするのが安価で出来れば活用の幅が広がる。宅配に負けないように知恵を絞って欲しいものだ。

最近、仕事(作る方)を居間でやることが多いのでテレビなど見ながら趣味っぽく作業しているが、うるさいだけの番組が嫌だと国会中継などを観る。馬鹿みたいなやり取りが延々と続くことが多いが「こいつは間抜けそうに見せてるが、中々のタヌキだ」とか「一生懸命自分を優秀に見せようとしてるが逆効果」などと裏を読んでいると面白い。裏を読むのは私の才能であり短所でも有る。いつでも人の言葉というものは聞いていない。聞いていないと言うと語弊が有るが、人の言葉の意味を考えずに、その人がそのようなことを言う心理を考えている。だから人からすれば頓珍漢な答えをすることも多く、キョトンとする人を見てまた楽しんでいる。悪い癖だが、人に元々備わった才能でも有るのだ。

人の裏を読むのはほとんど全ての人に備わっている才能だと言って良いだろう。ところがそれを「自分だけ」と思い込んでいる人が多い。だから人の裏を読んでいる自分がまた人から裏を読まれていることに気付かない。無防備も良いところだ。せっかく自分が人の裏を読めることに気付いているのだから、もうちょっと注意深くなれば人が自分の裏を読み取った瞬間に「読まれた」と感じ取れるものだ。読まれたということは言葉にしなくとも相手に気持ちが伝わったということを意味するのだから、それを前程に話を進めれば良い。裏を表にしてしまうわけだ。そうすると面白いように会話の主導権を握ることができるようになる。なぜなら私は裏の無い人として相手の目に映るからだ。「なぜ人からすぐ信頼されるのか解らない」と私を評した者がいる。そういうことなのだ。

国会中継といえば、目撃または知っている方も多いだろうが政治家ども(「ども」なんて言っちゃいけない)の特徴的な話し方が有る。人の話を聞かず自分が言いたいことだけを言い続ける、例の話し方だ。これは非常に失礼な話し方だが、セールスマン撃退には絶大な効果を発揮する。セールスマンというのは相手に断らせないためのテクニックをそれぞれに磨いているものだ。そんなものを相手にまともに話をするのも時間の無駄だから、相手が話していようが構わずにこちらも話して断ってしまえば良い。相手は言葉を切るか自分も話し続けるかの選択しか出来ないのだから、セールスは絶対に成功しない。

ばらばらに書いていたものを繋げると支離滅裂だが、ついでにもう一つ。指弾というのをご存知だろうか。糾弾とか爪弾きとかそういう意味ではなく、指を使って弾を撃つことだ。武道に熟達した友人・・早世してしまったが・・が披露してくれたことがある。いつもニコニコしている人間だったが、何かの打ち合わせが終わった席で真向かいに座っていた友人が私の名を呼ぶ。ふと顔を上げると友人の手元から何かが飛んできて、私の顔のすぐ横の壁にバシッと大きな音を立ててぶつかった。驚いて拾い上げるとただの紙を丸めたもので「どうやったんだ」と聞くと「指弾だよ」と答える。空手で瓦を割るのと同じ理屈で、源は親指で弾き出す力だが、それに手首、肘、腕、肩の動きを乗せてやると信じられないようなスピードで弾が撃てるのだという。漫画では見たことがあるが本当にできる人がいるとは思わなかった。今でもときどき友のことを思い出しながら練習しているが、私の指弾は子供の遊び相手ぐらいにしか役に立っていない。

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硫酸部屋

最近は硫酸仕上をするところも少ないと思うが、昔は「色上げ」と言ったら硫酸で焼くものだと思っていた。何と言うかジュエリー業界というもの自体が歴史が浅いもので、比較的最新に近い制作技術を持った工房でも技法自体が確立していないようなところがあった。そこに来てジュエリー制作業界の秘密主義が絡んでくるものだから、なおさら技法は発展しない。

硫酸仕上にしても教わった当時は「何のためにやるのか」「どうなれば良いのか」が不明瞭で、ただ硫酸をつけて焼けと言われるからやっていただけだ。恐らく教えている方も、何だか解らずに教えていたのだろう。職人は舐められたらおしまい、だから舐められないように虚勢を張るというのが当時の職人の一般的なスタイルだったように思う。

ゴールドの品物を硫酸につけてから焼くと、もうもうと硫酸の煙が上がる。吸い込むと気管を痛める。当然だろう。気化した硫酸は水分に触れれば元の硫酸に戻る。だから集塵機を使って煙を吸い込むのだが、ものが硫酸だから金属部品があれば腐食してしまう。屋内に排気すると吸い込んだ煙がそのまま排出されるから、集塵の意味を為さない。庫内に水を溜めて塵を洗い落とすタイプの掃除機を使うと、多少は煙の排出を防ぐことができる。

独立してからも硫酸焼きには苦労させられたもので、煙を屋外に排出した場合の法規制のようなものはあるのか警察や保健所に確認したこともある。基本的な考え方としては硫酸の貯蔵量が極めて少量であること、排出頻度や量が限定的であることから規制の対象にはならないが苦情などの原因にならないよう注意して使用するというに留まるようだ。焼き肉屋の排気問題のようなものだ。

しかし規制されないからといって余りにダイレクトに屋外へ排出するのも憚られるから、思案した揚げ句中庭に硫酸焼き専用の小屋を作ることにした。小屋といっても人が一人作業できるだけの広さで、雨風を凌げて硫酸の煙を排出する仕組みになっていれば良いだけのことだから自分で適当に作った。右から外気を取り入れて左へ排出するだけの作業台と椅子があるシンプルな小屋だが、色上げ製品が多かった当時はずいぶん重宝したものだ。いつしかこの小屋は「硫酸部屋」と呼ばれるようになった。

硫酸焼きには当初希硫酸を使っていたが、火を当てると跳ねることが多いため濃硫酸を使うようになった。加熱した硫酸は水をはじき出してしまうのだ。硫酸焼きの時は両手がふさがっていることが多いので、跳ねた硫酸が手にかかると難儀する。放っておくと火傷になるからだ。それでどうするかと言えば、舌を使う。つまり硫酸を舐めて取ってしまうのだ。硫酸は酸っぱいが毒性は全くない。唾液で薄まれば、ただの酸だ。しかしまあ舐めて美味しいものでもないし体調が悪いとき(二日酔いの時など)には気分が悪くなるから、やらないに越したことはない。

しばらくの間は黙々と迷惑な硫酸の煙を出していて硫酸部屋は工房に欠かせない設備になっていたが、その後新たな色上げ法を確立してから硫酸部屋は使わなくなった。風雨に耐えてよく最後まで壊れずに頑張ってくれたものだ。

こんなことを思い出したのは自宅作業中に、やはり集塵機は必要だと思ったのが切っ掛けだ。前の工房では集塵機の代わりに掃除機を使っていたが、家で掃除機を回しっ放しというのはうるさいし電気代が掛かる。電気代は何だって掛かるが、もう少し低出力で良いから静かで電気を余り食わないもの・・と考えていて換気扇に思い至った。換気扇にも色々なものがあるが終日運転するタイプの換気扇はおおむね小型で出力も少ない。大きさや形状も色々なものがあるから、ちょっと加工するだけで立派な集塵機として働いてくれるだろう。照明と集塵機とコンセントがついた折り畳み彫金台(作業台)になれば、かなり実用的だ。その内量産・・とか考えているかいないか微妙なところだが、何かの役には立つだろう。

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小金井公園の花見

ファイル 742-1.jpg日曜日に小金井公園へ。花見の最後のチャンスということもあって少々心配していたが、思ったほどの混みようではなく駐車場も幾らか待たされただけで無事に入ることができた。小金井公園は広いので多くの花見客がシートを広げていても、それほどひしめき合っている感じではない。ここぞとばかりに大声でわめき散らす集団の近くを避ければ、おおむね快適な花見が楽しめる場所だ。

花は半ば葉桜の雰囲気を見せ始めた頃合いで、風が吹くと一斉に花吹雪が舞う。前日の雨で恐らくは色あせたであろう白みがかった桜もまた、風情があって良いものだ。風に吹かれて舞い落ちてきた花びらを見るとほとんどが白く、花びらの付け根のごく小さい一点だけが濃いピンクの色をしている。花見のシーズンはまだ寒いことも多く、そそくさと弁当を食べて帰ってきてしまうこともあったが、今年は開花が遅れたために暖かい日差しに恵まれた花見となった。

小金井公園の園内には「江戸東京建物園」という一画があり、古い民家や農家、商店などが移築・復元されている。ほとんどの家が解放されて内部を見ることができるので、有料だが一見の価値ありだ。不思議なもので昔建てられた古い家屋に入ると何処とは無しに厳粛な気持ちになるのか、皆静かに歩き静かに話している。乱暴に大声でがなり立てたり、どたどたと音を立てて歩くような人を見ない。最近の親子連れなどの無法ぶりには腹を立てることさえ馬鹿馬鹿しくなってしまったが、こういう様子を見ているとまだまだ捨てたものではないようにも思えてくる。

「江戸東京建物園」の入り口から奥まったところには露店が設えられて、駄菓子や焼きそばなどを売っている。子供が珍しく「ラムネが飲みたい」というので、ビールとラムネを買って縁台で一休みすることにした。ラムネの栓を抜くことが出来なかった子が上手く噴き出させずに栓を抜くのを見て、成長したなとじんわり嬉しい気持ちを味わう。「これで何か買っておいで」と500円玉をひとつ子供に渡すと、駄菓子屋の店先で行ったり来たりしてから小さな袋を下げて戻ってきた。「これはお父さんのつまみ」と最初に渡してくれたのは軽い袋菓子で、次に自分用に買ってきた懐かしのタマゴボーロ、最後に別の紙袋に包まれたものを開けると蝋石が入っていた。2cmアップ角の立派な蝋石で、今回の買い物ではそれが一番の高級品だったようだ。つまみの袋菓子が30円、ボーロが20円、蝋石が50円で合計100円。物価など知らない子供にとっても、お買い得感一杯だったようだ。いつも思うが、どぶろくを置いていれば言うことないのに・・と酒飲みはそんなことしか考えない。

休み終えて今度は古い商店が並ぶ一画を歩く。東京銀器の伝統工芸士が実演販売している店があって「へえ」と思うと、子供はもうすたすたと店の中へ。後から店に入って並べてあるものを見ると鍛金・彫金で作る飾り物が主力商品のようで、隅の方に数千円の小物も置いている。店の中にいる人(東京銀器の三代目関武比古さん・・まだ襲名前のようだが)に「これは何ですか」と我が子。素直な質問だ。どう答えるかなと思っていると「これは銀を使って叩いたり彫ったりして作ったものですよ」と実に丁寧な受け応え。さらに「この値段は何ですか」と少々意味不明な質問にも「これを欲しい人がこのお金を払ってくれたら差し上げるということです」適当に誤魔化さず真っすぐに答えてくれる姿勢には、大いに好感が持てた。呼び水効果か、段々店先も混んできたのでそこを出てさらに先へ歩く。

昔の銭湯などもあって私にとっては然程珍しくないのだが、子供は広いのが楽しいらしかった。乾物屋の店先に並んでいるするめが実に美味そうなので「売ってるのかな」と思ったが、値札が見当たらない。「作り物じゃないの」と妻が言うから顔を近づけて匂いを嗅いでみると、なんの匂いもしなかった。子供は「プラスチックみたいな匂いがした」と言っていたから、子供の方が嗅覚が鋭いのだろう。
商店の並ぶ一番奥には「鍵屋」という居酒屋が復元されている。もちろん営業しているわけではないが、酒樽の椅子に腰掛けてカウンター(昔は何といったのか)に肘をかけると「いいな」と思う。落ち着いて酒が飲めそうだ。

一通り見終わると子供が「お土産を買いたい」と言う。銀細工が気になって仕方ないようだ。確か1,000円台のものも有ったから「お母さんに買ってもらいなさい」と、また東京銀器の実演販売へ。混んでいたので私は外で待っていたが「売っていた人がすごく嬉しそうだった」とか。5,000円の王冠型のペンダントトップを買ったようだ。ずいぶん高いお土産だなと思ったが、家に帰ってから子供は自分の貯金箱から払っていた。5,000円で高いか安いかと聞かれたので私なら「5,000円で作れと言われても、たぶん作れない」と答えると喜んでいた。

帰りがけに「もう一度花見」ということでシートを広げて、昼の弁当の残りをつまんだ。段々と人も増えてきたようだったが、日が陰って寒くもなってきた。出る時間も帰る時間もちょうど良かったし、ゆっくり楽しめる良い花見になった。たまには無計画に出掛けてみるのも良いものだなと思った。

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